2004年7月5日号
 

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農林抄 (論説/地球温暖化を考える)
 
   「地球温暖化が果樹農業に与える影響」
       農業・生物系特定産業技術研究機構
       総合企画調整部研究調査室主任研究官 杉浦俊彦
 
 
 IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は第3次評価報告書で20世紀中に地球の平均地上気温は約0・6℃上昇したことを報告した。気象庁によるとこの100年間のわが国の気温上昇は約1・0℃であった。昨年の夏、わが国では10年ぶりの冷夏であった地域が多かったが、年平均気温は平年よりも高かく、気温の上昇基調は続いていると考えられる。IPCCの報告では今後100年間の地球の気温変動の予測をしている。これによると世界平均で1990年と比較して2100年には1・4〜5・8℃上昇すると予測している。今後100年間の気温上昇は過去100年間の上昇とは比較にならないほど大規模なものになることが推測されているわけである。北のリンゴ、南のカンキツといったようにわが国の果樹生産は地域によって栽培樹種が分化しているが、リンゴ地帯、カンキツ地帯が形成された主因は気温の相違である。このことは、果樹がほぼ全国で栽培可能な水稲等と比較して、気候への適応性が狭いことを示している。また永年作物である果樹は一度、栽植すると数十年間は同一樹での生産を続けなければ経営的に不利となる。・・・


焦 点 「BSE情報を隠す米国」
 
 
 BSEに関する専門家・実務担当による日米ワーキンググループが6月28〜30日、米国コロラド州で開かれた。今会議の直前、米国でBSEの疑いを持った牛が新たに見つかったことで、WGは輸入再開への議論とは別の意味で注目された。25日に発表があったBSE迅速検査で陰性でなかった牛について情報が発表されない中での開催となったが、30日になってからようやく、米側は免疫組織科学的検査の結果、陰性が判明したとの説明があった。産地をはじめとする疑わしい牛の情報を隠す米国の対応には不信感が強まっている。こうしたケースが増えていくほど、輸入再開も遠のく。すべて情報開示を開示し、議論を深めていくべきだ。



特 集 「健康・食生活・国産農産物消費拡大戦略」<4>      (政策基本計画
 
   「全国的な食育運動へ基本法制定を」
       〜食育政策の推進・各省の取組み〜
       週刊農林編集部
 
      食ボランティア3万人で普及・啓発活動
      食の自己管理力育成へ「栄養教諭」創設
      「食育推進会議」が基本計画作成

        ・農林水産省
        ・厚生労働省
        ・文部科学省
        ・食育基本法案


     
つづく
 
短期連載 「森林組合改革への提言」<1>    
 
    「21世紀型森林管理方式と森林組合の役割」  (森林・林業
       信州大学農学部教授 小池正雄 
 
      はじめに
      森林改革に関する今までの議論の状況
      森林組合の歴史と現況
      本来あるべき森林組合改革とは


     
読み切り
 
トピックス 「横田哲治のINFORMATION」  畜産     
 
    「吉野家が秋、シドニーに1号店」
       〜オーストラリア牛肉産地を歩く<上>〜
       農政ジャーナリスト 横田哲治
 
 

農林水産ニュース&解説

 
 総   合
    <参議院選挙各党のマニフェスト分析> 直接支払は品目別か、横断かが争点
 
食品・安全
    農水省検討会がJAS制度格付を標準・特色域核に整理。最終製品サンプリングによる格付廃止(6/29)
 米麦・水田
    農林水産物輸出戦略の構築と展開<5> 島根のJA西いわみ米輸出「今年は6倍30トンめざす」
 
畑作・果樹
    全中が営農指導事業機能の強化策まとめる。営農指導員をレベル別に階層化へ(6/16)
 畜   産
    農水省検討会が鳥インフルエンザウイルスの進入経路判らずとする最終報告(6/30)
 金融・農協
    農林中金の2003年度決算が有価証券投資等で経常利益69%増の1812億円と過去最高益を記録
 
構造・農村
    農業・環境団体らが中山間等直接支払制度検討会で政策提案。「効果あるので05年度以降も継続」訴える
 
林   野
    日本林業経営者協会が「地球環境時代の新しい林政のあり方」提言。長伐期化導入し直接支払い求める(6/21)
 
水   産
    世界自然保護基金が地中海蓄養クロマグロ規制求める提言。国別総漁獲割当量に特別漁獲枠設け厳格管理を(6/24)