2004年9月25日号
 

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農林抄 (論説/新基本計画中間論点整理への提言)
 
   「小さい地主・大きな小作」
       拓殖大学教授・元国民経済研究協会理事長 叶 芳和
 
 
 株式会社がリース方式で農業経営に参入するのを全国で認めることになった。大変良いことである。残る論点は、株式会社による農地取得(購入)をも認めるかどうかである。最近の論争に接して思うのは、時代に取り残された議論をしているのではないかということである。10年前までとの決定的な違いは、高齢者のリタイアで農地を貸したがっている農家が増え、いまや農地は「借り手市場」になっていることだ。信用のある人ならば、いつでも農業に参入できる。土地問題は農業参入の制約にはなっていない。こういう状況であるから、経営者能力のある人は農地を買わない。借地で規模拡大している。この点はアメリカも同じであり、むしろ日本よりもリース農業が進んでいる(本誌9月5日号拙稿参照)。・・・


焦 点 「米から有機ヒ素検出」
 
 
 茨城県は9月16日、神栖町で収穫された米から有機ヒ素化合物であるジフェニルアルシン酸(DPAA)が検出されたと発表した。03年3月に木崎地区の飲用井戸水から水質基準の450倍という高濃度のヒ素が検出され、さらにその井戸から西に1`離れた地点からも最高43倍のヒ素が検出され、調査していた。今回のDAPPは旧日本軍の毒ガス成分に由来し、DPAAが検出された井戸は45本中5本。このうち4本が水田に、1本は野菜ハウスに使われており、当該水田の米から1`当たり0・043〜0・110_c(ヒ素換算)が検出された。03年産米からも0・020_cが検出された。



夏季特集 「食料自給戦略の研究」<5>        (季刊特集
 
   「食料自給率は向上できるか」<3>
       九州大学大学院教授・コーネル大学教授 鈴木宣弘
 
     (2)品目横断型政策
     (3)プロ農家への施策の集中
     (4)「ゲタ」と「ナラシ」では下支え(セーフティ・ネット)にならない
     (5)シミュレーションから得られる示唆


     
最終回
 
    「夢去りぬ、農政改革」
       経済産業研究所上席研究員・元農水省ガット室長 山下一仁
 
      経営安定対策の内容
      評価できる対象者の限定
      食料自給率は低下する
      品目横断という言葉への呪縛
      農業資源保全対策
      夢よもう一度


     
つづく
 
連載企画 「わが県農林業・農林政を語る」    農業政策/環境政策
 
    「『食』と『森』先進県いわて」の実現に向けて」
       岩手県知事 増田寛也
 
      「草の根」からの水田農業改革
      森林・林業及び養殖漁業の改革
      改革の目指すところは「担い手の確保・育成」
      消費者と生産の双方向の視点からの取組み
      「地域の自立」に向けて
      夢よもう一度


     
読み切り
 
連  載 「横田哲治のINFORMATION」
 
    「味自慢」で売上7億5000万円
      〜「小川の庄」の活性化戦略<下>〜
 
 
 小川村は長野駅から来るまで約40分。人口は3500人の村である。そのうち65歳以上が1400人を占めている。高齢化率は高い。小川村の峠からは北アルプスの山々が見えてくる。その豊かな風景にしばし釘付けになり、たたずんで見ほれるほどである。
 

農林水産ニュース&解説

 
 総   合
    農業工学研究所によると、農業・農村の有する多面的機能の評価額は総額37兆円
 
食品・安全
    米国のハーバード大学の研究グループによると、牛乳とカルシウム摂取で大腸ガン発生リスク低下が顕著
 米麦・水田
    JAグループが豊作見通しで、過剰米を主食用から区分し、販売環境整備の対応策まとめる(9/1)
 
畑作・果樹
    農水省懇談会が大豆入札に供託金導入を提言する中間報告。値幅制限は価格形成阻害懸念で慎重姿勢
 畜   産
    食品安全委員会がBSEリスク評価中間取りまとめ。検出限界表記で最後まで揉め、事実確認にとどまる(9/9)
 金融・農協
    農協系統金融機関の2003事業年度末のリスク管理債権が590億円増加の2兆5660億円
 
構造・農村
    佐賀地裁が諌早湾干拓工事の差し止め仮処分。農水省は「因果関係ない」と異議申し立て
 
林   野
    2003年度国有林野事業決算が受入金増え35億円の収入超過。累積債務は179億円増の1兆2796億円
 
水   産
    2004年度全国資源評価会議ひらく。マイワシ混獲認め、事実上の禁漁提言を回避