2005年10月15日号
 

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農林抄 (論説/森林整備法人(林業公社)改革への提言)
 
   「林業公社は林業経営に乗り出せ」
       (株)富士通総研経済研究所主任研究員 梶山恵司
 
 
 林業公社は1兆円を越える債務を抱え、県等からは「公社等の抜本改革に関する緊急提言」として、財政支援を中心とする要望が国に出されている。しかし、その前にはまず、公社が巨額の債務をかかえるにいたった経緯と、公社経営の実態が検証されるべきである。そうでない限り追加的な財政支援をしても、過去の繰り返しとなってしまうだろう。まず、既往債務に関しては、県・公社はその主な理由を材価の低迷としているが、1ヘクタール当たり数百万円に達する負債は、材価で説明しきれるものではない。仮に200万円を金利5%で借りたとすれば、40年後の返済額は1400万円である。これだけでも材価は5万円とならなければ、勘定は合わないことになる。・・・


焦  点 「原油高で施設園芸苦境に」
 
 
 宮城県農協中央会がまとめた原油高の影響試算で、今夏の原油価格でこのまま推移すると、06年産の施設園芸は促成キュウリで農業所得はマイナス7万6000円に陥るなど、多くの作目が大幅な減収を余儀なくされることが分かった。なかでも農業分野で使われる軽油、A重油は3年前に比べて5割以上値上がりした。ガソリンの倍以上の上昇率だ。これにより、促成キュウリの光熱動力費は3年前より30万円増加、バラに至っては80万円も増加した。一方、農産物価格は低迷しており、このままでは多くの施設園芸が採算割れを生じる懸念から、同会は営農用燃料の価格対策および安定供給、価格動向の監視を農水省に要請した。



秋季特集 「日本型直接支払いと新米需給システムへの提言」<2> 季刊特集
 
    「環境直接支払い政策の本格的展開を」
       NPO法人「民間稲作研究所」理事長
       日本有機農業学会理事    稲葉光國
 
      新たな食料・農業・農村基本計画と稲作経営の現実
      稲作経営の未来像と環境直接支払い


     
読み切り
 
    「直接支払いのローリング・プラン」
       拓殖大学教授・元国民経済研究協会理事長 叶 芳和
 
      セカンド・ベスト論
      規模要件のローリング・プラン
      日本型直接支払いは微温的改革
      規模要件は官僚的手法


     
読み切り
 
トピックス「環境税導入に国民意識変化」         (林野
 
    「増税不安で『反対』増加」
       週刊農林編集部
 
 
 <要旨> 内閣府が10月3日に発表した「地球温暖化問題に関する世論調査」結果で、9割近い人が地球温暖化等の地球環境問題に関心があると答えたものの、「環境税」導入については32.4%が反対し、賛成の24.8%を上回った。反対者の約6割が「家計負担の増加」を理由に挙げ、次いで約3割が「政府の無駄遣い」を危惧している。01年3月に環境省が行った同様のアンケート調査では、導入賛成は過半数を超え、前向きだったがこの6年間で国民の意識は大きく変化した。石油価格の高騰も環境税導入に向けてマイナス要因だ。日本経団連は9月20日に「ガソリン価格の上昇による消費抑制効果は疑問があり、民間の活力を奪いかねない」と環境税導入反対への声明を発表、政府との対決姿勢を強めている。
 
トピックス「自然循環型農業の進展」            (農業・環境境政策
 
    「滋賀県直接支払いで『環境こだわり』面積劇的増加」
       週刊農林編集部
 
 
 <要旨> 滋賀県は、琵琶湖とその周辺を農業廃水等の汚濁から守り、より安全で安心な農産物を県民に供給することを謳った「環境こだわり農業推進条例」に基づき、全国に先駆けて04年度から「環境直接支払い」と「農村環境直接支払い」を導入し、環境保全や景観創造に大きな成果を上げ始めている。
 
話  題「21世紀農業技術研究開発の研究」     (農業技術)     
 
    「稲遺伝子は生物最多の33万7544個」
       週刊農林編集部
 
 

農林水産トップニュース&解説

 
 米穀・水田
    全農が販売対策費基本要領制定、価格形成に悪影響与える支出禁止
 
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    厚生労働省の研究班が肥満指数(BMI)が27以上の男性は大腸がんリスクが上昇するとの研究成果
 
畑作・果樹
    宮城県農協中央会が石油高騰による施設園芸への影響を試算、促成キュウリの農業所得は7万6000円の赤字転落
 
畜   産
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金融・農協
    規制改革・民間開放推進会議が信用・共済事業などの分離・分割を中心とした農協改革先送り(9/2)
 
林   野
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水   産
    ヤマサ脇口水産と勝浦漁業協同組合が共同でマグロ生ハム製造販売の新会社設立