2005年12月5日号
 

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農林抄(論説) 「農業環境政策への提言」
 
   「農業環境政策は多彩で自由な展開望ましい」
        茨城大学農学部教授 中島紀一
 
 
 農業環境政策の推進は、「経営所得安定対策等大綱」において経営安定対策と車の両輪であると位置付けられた。一昨年末の「農林水産環境政策の基本方針」策定以来、農水省は、農業環境政策は農政の重要領域だとしてはきたが、施策の中身は不鮮明なままであった。それが今回、かなり具体的な施策体系として提起された。この点は前向きな施策構築として評価したい。・・・


焦  点 「農林公庫等政府系金融機関を統合」
 
 
 経済財政諮問会議は11月29日、政府系8金融機関改革の基本方針をまとめた。日本政策投資銀行、商工組合中央金庫、公営企業金融公庫は廃止し、残る国民生活金融公庫と農林漁業金融公庫、国際協力銀行、沖縄振興開発金融公庫の5金融機関を新たな機関として統合する。農林公庫が行っていた政策金融のうち、農業・林業・水産業向けの超長期低利融資と、食品産業向け金融は大企業・中堅企業向けを撤退するが、中小企業向けの10年を超える貸し付けは残し、08年度から新機関に移管する。新機関の組織形態は、特殊会社または独立行政法人に準じたものとするが、トップマネジメントへの天下りを廃止する。



特  集「経営所得安定対策等大綱<2>」     農業政策
 
    「資源保全共同活動に10アール水田4400円、畑2800円」
       週刊農林編集部
 
 
 <要旨>「経営所得安定対策等大綱」には、「等」とあるように、新基本計画の最重要な柱である品目横断的経営安定対策の具体化に加え、これと表裏一体の関係にある米政策改革推進対策の大枠の見通しと、車の両輪と位置付け産業政策と区別した地域振興対策「資源・環境保全向上対策」の大枠の枠組みが盛り込まれた。米政策改革推進対策の新たな生産調整支援策は、担い手を対象とする品目横断的経営安定対策の導入に伴い担経は廃止し、稲得は「米価下落影響緩和対策」として新たな産地づくり対策の交付金メニューに追加し、稲作の収入減に対し面積当たりで定額補填(減収が定額以下の場合は減収の9割まで)する。交付単価は従来部分に加え、担い手に農地を利用集積する「踏み切り料」として「担い手集積加算」を設定する2階建て方式とし、3年後に廃止する。米の需給調整は、07年からJAや大規模農家など生産調整方針作成者が自主的・主体的に実施する「生産者・団体が主役となる需給調整システム」への移行をめざし行政による生産目標数量配分を廃止するが、混乱を避けるため行政ルートを通じて全国・都道府県別・市町村別・地域別・生産調整方針作成者別の需要量を情報として各段階で提供し、これを基に最終的には、地域水田農業推進協議会による調整を介して、生調方針作成者が自らの生産目標数量を決定し、傘下の方針参加農業者に配分ルールに則って配分する新システムを構築する。「農地・水・環境保全向上対策」は、農地・農業用水等の保全向上に地域ぐるみの効果的な「共同活動」と農業者ぐるみの環境保全に向けた「先進的な営農活動」、これらの活動を「ステップアップさせる取り組み」を協定に位置付け、地域住民はじめ多様な主体の参画を得て総合的・一体的に実施する「活動組織」に支援する仕組みだ。「共同活動」に対する交付単価は水田10アールe当たりで北海道3400円、都府県4400円、畑はそれぞれ1200円、2800円で、国と地方自治体(都道府県・市町村)がそれぞれ5対5で財政負担する。「先進的な営農活動」への支援は、集落の生産者の5割以上が取り組むなど、相当程度まとまって化学肥料や農薬を慣行栽培の5割以上削減する技術を導入した取り組みの掛かり増し経費に加え、農業者が共同で行う環境負荷低減活動に掛かった費用を活動組織に交付する。さらなる「ステップアップ活動への支援」は、協定に基づき、この二つの取り組みを超える活動を誘導するため、集落など地域単位に「促進費」を活動組織に交付することに加え、モデル的な取り組み活動を支援し、その展示効果を引き出す仕組を検討していく。
 
      新稲得は3年限定の「踏切料」
      目標配分廃止し方針作成者が生産量決定配分
      肥料・農薬5割削減経費を支援


     
最終回
 
構造分析と解説 「2005年農林業センサス・農林漁業経営体調査」<2>  農業政策
 
    「5ヘクタール3000万円以上規模層が増加」
       週刊農林編集部
 
      経安対象9%18万経営、農地の3割
      会社形態13%増え1万社突破


     
最終回
 
特  集 農村地域再生・活性化「農村元気げんき戦略」の研究<6>   (季刊特集
 
    「7農村地域再生・活性化戦略」<2>
       慶応大学大学院政策メディア研究科助教授 金谷年展
 
      ネイチャーテック
      トップランナー方式


     
最終回
 
    「地域資源保全管理と農村地域再生戦略」<2>
       京都府立大学大学院農学研究科教授 宮崎猛
 
      中山間地域等直接支払制度新対策の評価
      都市農村交流から地域資源保全管理へ
      東アジア共通の農村地域政策
      表・篠山市辻集落のふるさとむら保全活動の実績


     
最終回
 
 

農林水産トップニュース&解説

 
 食品・安全
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林   野
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