2006年4月5日号
 

(会員制)

  

数量     
   



農林抄(論説)「米政策改革への提言」
 
   「消費者視点からの米改革見直しを」
        高崎経済大学地域政策学部教授 吉田俊幸
 
 
 米消費量は、今後さらに減少を加速し、消費内容も変化する可能性がある。米改革においてこの点が軽視されている。昨年決定された新基本計画では、1人当たり米消費量は横ばいないし漸増を目標としている。今回の見直しでは、基本計画の目標や現在のトレンドが生産目標数量の基礎となる可能性が強いが、米消費は、世代別の特徴をもち、生鮮野菜等の他の食品が年齢別の特徴をもっているのと大きく異なっている。つまり、30〜40歳代は、50〜60歳代になっても米消費は変化しないと予想される。若い世代での米離れの下で、今後、米消費の減少は加速される可能性が強い。米生産目標数量を消費目標に置くのか、現実に置くのかによってシナリオが大きく異なる。・・・


焦  点 「農相が米先物不認可表明」
 
 
 東京穀物商品取引所と関西商品取引所が申請していた米の先物試験上場について中川農相は3月28日の記者会見で、生産調整に支障を及ぼす恐れがあることを理由に「不認可」とする考えを表明した。中川農相は「米のあるべき生産、流通消費が実現されれば、先物の市場が整備されることは望ましい」と米先物市場の存在意義は否定しなかったものの、「現時点では、そうしたあるべき姿に到達しておらず、そのため生産調整の円滑な推進、ひいては生産に著しく支障を及ぼす恐れがある」と判断したものだ。農水省は7日に両取引所に対する意見聴取を行ったうえで、29日までに正式決定し、通知する。



春季特集 「米政策改革2年の検証と米改革・水田農業振興戦略への提言」<1> (季刊特集
 
    「コメ政策の検証と今後の課題」<1>
       宮城大学事業構想学部学部長 大泉一貫
 
      はじめに
      農政改革の検証
      米政策改革大綱(02年)に見る市場原理の不透明感
       (1)改革を推進する経済法則が見えない
       (2)市場経済化のスキームが見えないのはなぜか?
       (3)需給調整システムに関して


     
つづく
 
    「最近の情勢を踏まえたコメ政策の展望」<1>
       九州大学農学研究院教授・コーネル大学教授 鈴木宣弘
 
      趨勢的な米価下落への不安
      「ゲタ」と「ナラシ」と「岩盤」
      集落営農の推進機運と現場農家の悲観論
      図1・「ゲタ」「ナラシ」の効果と「岩盤」の必要性


     
つづく
 
    「米政策改革2年の検証と米改革への提言」<1>
       藤澤流通・マーケティング研究所代表 藤澤研二
 
      遅々として進まない意識・構造改革
      交付金獲得のための現状追随型ビジョン
      「売れる米づくり」見えない生産現場
      不確定要素多い新需給システム移行


     
つづく
 

トピックス解説「コメ価格センター取引ルールの見直し方向」
   (農業政策
 
    「先渡・スポット的取引方式導入」
       週刊農林編集部
 
 
 <ポイント> 売り手・買い手の対立、溝が深まるの中で農林水産省は3月23日、第4回「コメ価格センターの取引のあり方等に関する検討会」に双方の主張や要望を入れ、三つの市場設計と4つの選択肢を整備する「コメ価格センター取引ルールの見直しの方向」案を提示し了承を得た。大量の落札残が発生するなど低調な取引によりセンター取引が形骸化し実勢価格が形成されないという危機的状況を打開するため見直しの方向は、従来の指標価格形成の場重視からコメ価格センターを活発な取引が行われる場としての機能を重視するスタンスに転換することで再構築し、これを通じて実勢に即した価格形成を図り、売れるコメ作りのための的確な市場シグナルを発信できるようにするねらいから、@取引頻度は月1回から端境期も含め毎週行うA売り手・買い手側双方のニーズに応じた使い勝手の良い場とするため、現行の基本取引に販売計画数量の3分の1未満上場を認め、その代わりに売り手の希望価格を年内など一定の時期までに制限し、価格の相場観が出来る時期以降はストップ高・ストップ安制に移行する手法を加えるとともに、新たに買い手が最低申込数量単位ごとに希望価格や特定の産地品種銘柄指定など条件を提示し1〜3ヵ月先の引取価格を売り手の応札により決める「先渡的取引方式」と、売り手が上場数量要件のない3ヶ月間の上場計画や希望価格を提示(開示)し取り引きする「スポット的取引方式」を導入するB基本取引上場銘柄で基本取引以外にのみ上場されるものや基本取引に上場されても落札残の多い産地品種銘柄は、相対取引価格の報告を義務付け定期的に公表し実勢水準の目安を提供するC米事業改革で県本部上場廃止による全農上場一本化で全農の上場シェアが8割超と独占的状態となることに伴い価格操作等不正を防止し、中立・公平で透明性のある取引、価格形成を担保するため、全農と子会社パールライス卸との取引は認めないD全農との売り手間競争を助長するため、3分の1未満上場や産地指定による先渡的取引への応札など単協上場をしやすくする、というものだ。この方向性を踏まえセンター運営委員会で、ストップ高・安制の上下幅や移行の時期、取引監視委員会の持ち方など具体的ルールを6〜7月までに詰め業務規定を改定、06年産米の入札取引から適用する。今後、実際の運用中で、どの市場設計や選択肢に買い手・売り手双方が乗ってくるか、それによって取引が活発化してくるか、注視される。
 

農林水産ニュース&解説

 
 総   合
    中川農相が東穀と関西商取が申請していた米先物取引試験上場を「不認可」とする方針を表明(3/28)
 
食品・安全
    政府が容器包装リサイクル法を閣議決定。審議会具申と異なる部分(3/10)
 
畑作・果樹
    農水省が先送りされていた豆腐・納豆の原料大豆原産地のガイドライン作成で検討開始(3/22)
 
畜   産
    米国産牛肉輸入問題を協議する日米専門家会合が開催、混入原因で一定の共通認識。消費者説明会実施へ(3/28〜29)
 
金融・農協
    全農が臨時総代会で「新生プラン」担い手還元策を一部前倒し決める。東・西日本パールライスの経営再建支援も(3/30)
 
林   野
    林野庁06年度林業公社関連予算が成立、農林公庫が「林業公社の将来的な財務均衡が可能」と大きく評価
 
水   産
    水産庁がミナミマグロの個別割当制度違反者は1〜5年間割当てしない罰則決める
 
 

農林水産省 農水省