2006年6月15日号
 

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農林抄(論説)「森林・林業白書への論評」
 
   「長伐期政策移行へ4つの課題」
        富士通総研経済研究所主任研究員 梶山恵司
 
 
 
<冒頭> 平成17年度白書は、管理水準の低下がもたらす森林の機能劣化という現状を訴え、国民の協力を求めているが、概して総花的であることは否めない。
 人工林を中心とする森林の疲弊は、戦後の短伐期皆伐施業を支えた枠組みが根底から崩れ、長伐期へと移行しなければならない過渡期にある中、それを成立させるための課題が未解決なままにあることにある。その課題とは、大きく次の4つに整理される。
 第一は、森林組合の抜本的な経営改革である。採算性確保による間伐こそが、面的な森林整備を進める唯一の道であり、そのためには、所有者に代わる林業経営の担い手たる森林組合が、企業経営能力を獲得していくことが不可欠である。ところが、・・・


焦  点 「群馬が有機リン系空散自粛」
 
 
 群馬県はポジティブリスト制度に伴う対応として6月6日、無人ヘリコプターによる有機リン系農薬の空中散布の自粛を県産業用無人ヘリコプター適正利用推進協議会に要請した。無人ヘリは薬剤散布が高効率かつ低コストから飛躍的に防除面積を伸ばしている。現在約2000機の無人ヘリが稼働し、02年には有人ヘリの散布面積を超え、03年の散布面積は56万2800ヘクタールで5年前の2倍超に上る。しかし、無人ヘリ普及に伴う事故や有機圃場への農薬飛散、地域住民の健康被害の報告が増え、有機リン系化合物の慢性毒性を完全に否定できず代替農薬もあることから、同県は有機リン系農薬の空中散布の自粛に踏み切ったものだ。



解  説 「2005年度 森林・林業白書」 (林野
 
    「国産材利用へ供給問題解消への道筋を」
       週刊農林編集部
 
 
 <要旨>政府は05年度「森林及び林業の動向(森林・林業白書)」を発表した。特集を含め、今白書は「人の手を加えなければ、森林のもつ機能の維持向上が難しい」ことを訴え、「国民が今できることから」と呼びかけている。しかし、多くの国民は人工林・里山林問題の本質、言い換えれば「緑豊かなのに森林は荒廃している」という矛盾をどれほど理解しているのであろうか。「森林の緑がこれほどまでに連綿しているのは、有史以来」とも言われるが、「自然の質」は非常に悪い。白書は国民が今できることとして、@持続可能な経営で生産された地域材の利用A森林づくりへの直接参加B森林づくり活動への支援――を呼びかけているが、その本質の部分の分析、いわゆる「なぜ、国産材が使われなくなったか」の視点が欠けている。国産材振興では、産地安・消費地高の問題が大きく立ちはだかり、国民も国産材製品を選ぼうにも「玉がない」「高嶺の花」にある。森林・林業の危機が叫ばれながら、いまだに方策が定まらないのは「グランドデザイン」を持たないからである。
 
〜4POINT解説〜
 
      負の森林環境教育も必要
      森林・林地支援から人的支援へ
      「無い物ねだり」の問題解決
      森林に勝ち組、負け組つくるな


     
読み切り
 
春季特集 「米政策改革2年の検証と米改革・水田農業振興戦略への提言」<6> (季刊特集
 
    「米政策改革2年の評価と提言」<2>
       滋賀県立大学環境科学部教授 小池恒男
 
      本来的な政策課題を直視すべし


     
最終回
 
    「最近の情勢を踏まえたコメ政策の展望」<2>
       九州大学農学研究院教授・コーネル大学教授 鈴木宣弘
 
      最近の情勢を織り込んだ試算
      表1 最近の情勢を踏まえた中期的なコメ経済の展望の試算


     
最終回
 
検証と提案「水田ビジョンと産地づくり対策」    (大豆・麦・米
 
    「3年定額交付で大豆作付15%減少」
       週刊農林編集部
 
      ビジョンと交付金の評価
      大豆の作付減少要因分析
      品横導入で現状維持ないし減面懸念


     
読み切り
 
解  説「21世紀新農政2006」    (農業政策
    「東アジア市場ターゲットに食品産業進出」
       週刊農林編集部
 
      食料コスト2割削減へ資材・物流改革


     
読み切り
 
 

農林水産ニュース&解説

 
 食品・安全
    ポジティブリストによる食品事故対策で全農が回収命令農家に「見舞金」、東京海上日動は回収諸費用を補償
 
畑作・果樹
    農水省が知的財産戦略で、植物新品種の育成者権出願件数を1.5倍の年間2000件出願を目標に(6/2)
 
畜   産
    農水省が家畜の遺伝資源の保護・活用に向け和牛資源の海外流出帽子へ和牛遺伝子特許を取得と精液をバーコード管理
 
農協・金融
    全中が第24回JA全国大会大会決議の組織協議案をまとめる。メインテーマは「食と農を結ぶ活力あるJAづくり」(6/1)
 
林   野
    林政審が新たな森林・林業基本計画の策定の視点と骨子案、および基本計画に掲げる目標の考え方示す(6/6)
 
水   産
    05年全国主要203漁港の上場水揚量で焼津が4年連続の1位、銚子が2位を堅守。3位は石巻が前年5位から躍進
 
 

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