2006年6月25日号
 

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農林抄(論説)「食料・農業・農村白書への論評」
 
   「団塊世代の帰農で農業・農村再生は可能か」
        明治大学名誉教授 井上和衛
 
 
 
<書き出し> 2006年度食料・農業・農村白書(以下、白書)は、「少子高齢化・人口減少の転換期を迎える我が国の経済社会構造」、「食料・農業・農村をめぐる国際情勢の変化」、「国民生活における食料・農業・農村の役割」、「基本計画に基づく農政改革の取組の加速化」に関わる基本認識を示し、いわゆる団塊世代の動きに着目しつつ、少子高齢化・人口減少局面の食料・農業・農村の動向を分析している点が特徴となっている。少子高齢化・人口減少に伴う影響は、今後の我が国経済社会全体に及ぶ問題であり、本来、それ自体の因果関係の究明と同時に、それに対処すべき課題を検討しなければならない問題である。しかし、白書は、・・・


焦  点 「IWCで捕鯨支持国提案決議」
 
 
 第58回IWC年次会合が6月16〜20日の5日間、セントクリストファー・ネイヴィスで開催され、反捕鯨国優位の情勢が大きく変化した。日本など持続的利用を支持する国が共同宣言した、IWCを鯨資源の保存と利用をめざす場として正常化させることを求める「セントキッツ・ネービス宣言」が採択された。「IWCがモラトリアムを採択して以降、対立する内容の決議として初めて持続的利用派の提案が通った」(日本政府代表団)。さらに日本が提案した、捕鯨調査に対する危険な妨害行動を抑止する決議案に反捕鯨国の豪州、オランダ、NZ、アメリカが賛意を示し5カ国共同提案として提出、全会一致で採択された。



解説と論評「2005年度食料・農業・農村白書」 (農業政策
 
    「『食糧資源戦争』の様相強まる」
       週刊農林編集部
 
 
 <要旨>2005年度食料・農業・農村白書の注目は、世界の穀物生産量が2000年以降、消費量を下回り期末在庫率が国際的な食料安全保障上の危機ラインギリギリで、中長期どころではなく、いつ食料危機が起きるかも分からない国際食料需給・価格・貿易構造にあって、国際食料需給・価格・貿易を左右する波乱要因として中国に加え、インド、ブラジルというBRICs3国の農業事情、食料需給・貿易動向を分析していることだ。まず中国については、人口増加や経済発展で穀物消費量が生産量を上回り、今後、大豆に加えトウモロコシなど飼料用穀物の輸入拡大の可能性が指摘され、中国の国際農産物需給・価格に与える影響は「一層強まる」と見通している。中国は中南米等で資源外交を強力に展開しており、今後、世界は鉱工業資源だけでなく、食糧・農業資源をめぐる争奪戦、「資源戦争」の様相を一層呈していくと予測される。インドについても今後、中国同様、食料輸入国に転じる可能性を示唆。一方ブラジルは、05年に輸出量がついにアメリカを追い抜き世界最大の大豆輸出国に踊り出た。文字通り大豆の国際需給・価格・貿易を左右する農業大国に伸し上がり、このことがWTO農業交渉においてG20を率い交渉のイニシアティブを握り、アメリカやEUの農産物市場に逆攻勢をかける激しい主張を展開し、交渉が三竦みの膠着状態となっている要因だ。今後、アメリカと市場争奪をめぐり「農産物戦争」は激しさを増していくと思われ、この両国の作付・作柄動向が国際供給・輸出を大きく左右しよう。このように消費が生産を上回る国際需給構造にあって、BRICs3国が需給両面に与える影響はますます強まると考えられ、食料の6割を海外に依存している日本は、その動向を注意深くウォッチし、農業構造改革の加速により国内農産物市場競争力を強化し自給率を向上していく食料自給戦略を構築し、展開していく重要性がますます緊要になってきた。
 
〜5POINT解説〜
 
      米伯中印が国際穀物需給制す
       ・大豆に加え中国、飼料も輸入国へ
       ・インドも穀物輸入国!?
       ・ブラジル 米国抜き世界最大の大豆輸出国へ
       ・付表・世界の穀物の生産量等と期末在庫率の推移
       ・付表・中国の穀物等の生産量、消費量等の推移
      団塊世代が食料消費のトレンド決める
       ・新規就農の7割は50歳以上
       ・団塊世代にUターンの兆し
       ・付表・食料消費支出における世帯主の年齢階層別構成比
       ・付表・出生県へのUターン率の動向
      フードシステムのコスト構造改革を
       ・付表・農産物や食料品の価格に影響を及ぼす諸要素の米国との比較
      「環境保全型農業」再定義を
       ・有機農業振興へ「推進法」案に期待
      ディーゼル燃料車開発し菜種栽培拡大を


     
読み切り
 
検証と提案「水田ビジョンと産地づくり対策」
 
    「耕畜対象わずか3割で飼料17%減」
       週刊農林編集部
 
      大豆生産の課題と政策改革の方向
      団体外集荷者交付対象化し流通コスト削減を
      飼料作物と耕畜連携対策


     
読み切り
 

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