2006年10月25日号
 

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農林抄(論説)「農地制度改革への論評」
 
   「農業委員会の遊休農地対策の取組み」
        全国農業会議所農地構造対策部長 柚木茂夫
 
 
<書き出し>2005年農林センサスでの耕作放棄地面積は38万5千ヘクタール。5年前に比べ4万5千ヘクタールの増加となっている。遊休農地の発生防止・解消対策は、農政の最重要課題といっても過言ではなく、特に、農業経営基盤強化促進法第27条に基づく遊休農地の所有者等に対する「農業委員会の指導」の重要性が増している。平成17年の農業委員会の指導は、件数で9994件、面積は1505ヘクタール。過去10年間の累計面積は約1万5千ヘクタール。増大する遊休農地面積からみて決して十分な数字ではない。現在、全国統一の「農地パトロール月間」(8月−11月)の真っ只中である。全国各地の農業委員会において遊休農地の発生防止・解消、無断転用の防止に向けた様々な取り組みが進められている。全国農業会議所ホームページの「農地を守り、活かす取り組み」サイトで紹介している428件の事例等からも、農業委員による耕作放棄地の一斉耕起や新規作物の実証展示など現場の地道な活動の実態を見ることができる。・・・


焦  点 「ミナミマグロ漁獲枠半減」
 
 
 ミナミマグロ保存委員会は10月13日、日本の漁獲枠を07年以降5年間、現行の6065トンから3000トンに半減することを決定した。豪州による日本のミナミマグロの過剰漁獲の指摘を受けて水産庁が調査したところ、1800トン超過していた。CCSBT科学委員会は資源回復を図るためには現在の漁獲枠を半減することを勧告しているが、07年以降の他国の漁獲枠削減量は1割程度にとどまっていることから漁獲枠半減は懲罰的意味合いが強い。大西洋まぐろ類保存国際委員会の科学委員会も11月に開く特別会合で、資源を維持・回復させるため漁獲量を現在より半減するよう求める勧告を行なう予定だ。今後、マグロ価格への影響は必至だ。



夏季特集「園芸福祉で『新たな農業・農村のかたち』創ろう」<最終回> (季刊特集
 
    「野良仕事と自立支援」
       NPO法人 関西青少年自立支援センターNOLA理事長 佐藤 透
 
      野良仕事中心に共同生活
      遊休地を活用、過疎・高齢化
      地域の貴重な戦力に
      半年で登校開始、1年内で就労も
      自信と一人で生きる力見極め卒寮


     
読み切り
 
    「環境療法と園芸療法」<2>
       ―複合施設としての取り組み―
       医療法人・和泉会いずみ病院作業療法士 嶺井 毅
 
       (2)高齢者を対象とした園芸プログラム
      おわりに


     
最終回
 
寄  稿「WTO農業交渉プロセスの分析と対応戦略」<2> 国際
 
    「WTO交渉決裂と今後に向けて」<2>
       〜実質的輸出補助への対応〜
       東京大学農学生命科学研究科教授 鈴木宣弘
 
      EUの砂糖
      最近の注目すべき動きと今後の交渉に向けて


     
最終回
 
トピックス「まぐろが食べられなくなる!?」 (水産
 
    「ミナミマグロが日本のみ漁獲割当て半減」
       週刊農林編集部
 
 
 <要旨>ミナミマグロ保存委員会(CCSBT)が10月10−13日まで宮崎市で年次会合を開き、過剰漁獲が発覚したわが国の漁獲量を懲罰的な措置から07年以降の5年間の漁獲枠を現行の6065トンから3000トンに半減した。同科学委員会は昨年の会議で、ミナミマグロは「現在の漁獲量が続けば2030年には産卵可能な親魚がほとんどいなくなる可能性が50%に上る」と指摘し、現在の漁獲枠を半減することを勧告した。しかし、各国間の調整がつかず06年は05年水準を維持することで決着した。今次会合でも大幅削減は合意できず、わが国以外は1割程度の削減にとどまり、今後3年間の漁獲枠総量は3395トン減の1万1530トンにとどまった。また、わが国が過剰漁獲を指摘した豪州は実態をさらに検証するとし、漁獲枠(現状維持の5265トン)を来年にも見直す可能性もある。
 CCSBT科学委員会のミナミマグロ漁獲枠半減の勧告に続き、大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)の科学委員会も11月にクロアチアで開かれる特別会合に提出する報告書の中で、資源の維持・回復させるためには漁獲量を現在の半減にするよう求める勧告を行なう考えが示された。WWFの調査では、地中海でのクロマグロ資源が枯渇し、沿岸国の蓄養業者では閉鎖に追い込まれるところが出ている。同委員会では、漁獲量削減以上に厳しく指摘しているのが、実際の漁獲量だ。委員会では漁獲枠の1・5倍以上が事実上漁獲されていると指摘し、違法な漁獲の横行に歯止めをかけるよう求める。
 
分析と解説「2006年 集落営農実態調査」
 
    「品目横断要件クリア集落3〜5割」
       週刊農林編集部
 
 
 <要旨>「経営所得安定対策等大綱」決定後初の調査で、どの程度集落営農が増え、どの程度が「品横対策」対象となるか、どの程度の加入意向があるか注目された「2006年集落営農実態調査結果概要」(農林水産省統計部、調査時点5月1日)が取りまとめられた。集落営農数は構成員農家の高齢化に伴なう解散・廃止が563あったものの、大豆等転作受託組合の設立などで新設が981あったことから、差し引き合計で05年より418(4%)増え1万0481組織となった。これに伴い集落営農への参加農家数は2万1千戸(5%)増え約43万2千戸となった。農家総数の15%に相当する。「品横対策」の組織5要件をクリアできる集落営農は、@「地域の農用地の3分の2以上の利用集積」に相当する70%以上の耕地を集積している集落営農が全体の31%A「生産物の出荷・販売収支」の一元管理を行っている組織は予定を含め36%B主要作物を「組織名義で出荷」しているのは予定を含め37%C農業生産法人は計画策定・予定を含め37%などから、3−4割程度と見込まれる。また特定農業団体・同等要件組織の経営規模要件である20ヘクタール以上農地を集積している集落営農は49%で05年より6%増えた。経営耕地だけで33%だから、農作業受託面積まで対象範囲を拡げることで、対象組織が増加し、ほぼ5割まで対象を拡大することが可能となったといえる。このように要件をクリアできると見込まれる集落営農が3−5割程度と見込まれるにも関わらず、「品横対策」に加入を予定している集落営農はまだ28%と少なく、未定が56%と多い。これは、加入の検討中を未定にカウントしたためで、集落営農の組織化・法人化や加入申請への働きかけが進められており、今秋冬から来春にかけて加入予定・決定が増えていくと予測される。
 
分析と解説「集落の農業の担い手育成に関する意向調査結果」
 
    「水田集落の4割が品横対策に加入意向」
       週刊農林編集部
 
農林水産ニュース&解説
 
 食品・安全
    農水省が「トレーサビリティシステム導入促進対策事業」を総点検したところ6件が事業中止、2〜3割が実績低い
 
畑作・果樹
    果樹研が渋皮が簡単にむける日本栗「ぽろたん」育成。電子レンジで2分加熱でOK!
 
畜   産
    農水省の家きん疾病小委員会が弱毒高病原性鳥インフルで「ウイルス分離されなければ直ちに殺処分しない」(10/11)
 
金融・農協
    <解説 第24回JA全国大会決議>食と農を結ぶ活力あるJAづくり選ばれるJAへ総合評価手法を導入
 
林   野
    森林総合研究所九州支所が宮崎県北西部のスギ集団葉枯被害の原因を「土壌の低養分」と仮説