2006年12月5日号
 

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農林抄(論説)「新水産基本計画と漁業振興への提言」農林抄一覧
 
   「森は海の恋人」
        巨山養殖場主・牡蠣の森を慕う会代表 畠山重篤
 
 
<書き出し> 主に牡蠣を養殖、販売している我が水山養殖場は気仙沼湾の一隅で老夫婦、長男夫婦を中心に経営している。父が兵隊から帰り、昭和22年の創業だから今年で60周年を迎えた。3代目の長男が跡を継ぎ5歳の孫も継げば100年営業が続くことになる。勿論平坦な道ばかりでなく、チリ地震津波や、大型台風などの自然災害にも遭遇してきた。経験的に学んできたことは、自然災害は一過性であり、むしろその後の牡蠣の成長はすこぶる良好なのだ。牡蠣養殖にとって最大の脅威は海の汚染である。昭和40年から50年にかけ気仙沼湾にも赤潮が発生し、白いはずのむき身が赤くなり、「血牡蠣」などと呼ばれた。工場廃水、家庭排水、農薬、除草剤などの大量使用、戦後の針葉樹の一育造林による森の崩壊など、川の流域に暮らす人間の価値観の変化は沿岸域の海にそのしわ寄せを押し付けてきた。・・・





焦  点 「日豪EPAで道経済への打撃1兆円超」
 
 
 日豪EPAの政府間共同研究の報告書作成に向けた調整が難航している中で北海道は11月29日、日豪EPAによる関税撤廃で受ける影響は農業にとどまらず、関連産業、さらには雇用など道経済への損失額は1兆3716億円に上るとの試算を発表した。それによると日豪EPAで牛肉、乳製品、小麦、砂糖4品目の関税が撤廃された場合、酪農農家とその関連産業が最も打撃を受け、その損失額は8657億円に上る。次いで甜菜生産・産業が2535億円、小麦生産・産業は1539億円、肉用牛生産・産業は985億円。また乳製品関税撤廃は都府県への道産生乳の大量流入を招き、本州酪農は壊滅的になることも予想される。



秋季特集「新たな水産基本計画と漁業振興への提言」<3> (季刊特集
 
    「わが国漁業制度と漁業管理制度のあり方」
          〜アジア的視点から探る〜
       広島大学大学院教授 山尾政博
 
      「水産基本計画」の役割
      日本漁業が抱える構造問題
      日本型水産物フードシステムの限界
      漁業制度と管理制度がもつユニークさと限界
      「責任ある漁業」(FAO)の実現を視野に入れて


     
読み切り
 
    「将来を見据えた販売事業のあり方」
       (財)魚価安定基金業務部総括 佃 朋紀
 
      漁協の活性化に必要な条件
      将来を見据えた新たな試み(事例研究)
       (1)北部九州漁協・漁連三県連合
       (2)水産業界初のLLP「JF富山フーズネットワーク」


     
読み切り
 
特  集「農業の起源と農業文明の研究」<3> (ルポ・読み物
 
    「ユーラシアにおけるアワ作の起源」<3>
          〜粟作と中国古代文明〜
       金沢大学文学部(中国考古学)助教授 中村慎一
 
      華北と東北で同時に栽培始まる
      温暖化・陸地減少・人口圧が栽培化促す
      中国と欧州で別個に栽培化
      長江以南の稲作地帯にも南下


     
最終回
 
解  説「米政策改革基本要綱・生産調整方針運用要領」<1> (農業政策米・麦・大豆
 
    「担い手の地域協・第三組織参画を明記」
       週刊農林編集部
 
       透明性確保へ議論・議事録の公開義務付け
       地方農政事務所もオブザーバー参加


     
つづく
 
分析と解説「宮腰農地政策勉強会の検証と課題」<5> 農業政策
 
    「構成員・事業要件改善を」
       週刊農林編集部
 
      農業経営の法人化の推進
      株式会社形態わずか1.5%120法人


     
最終回
 
トピックス「魚が消える日」 (水産
 
       地中海クロマグロ4年で2割削減
       クロマグロ価格への影響は微小?
       メバチ、キハダも漁獲枠削減か
       40年後には水産資源消滅の衝撃研究
 
 
<要旨> 太平洋まぐろ保存委員会(ICCAT)年次会合が11月17日から26日までの9日間、クロアチアで開かれ、東大西洋クロマグロの漁獲可能量を07年から今後4年間で段階的に引下げ、現行よりも2割削減の2万5000トンとすることで合意した。東
大西洋クロマグロ(いわゆる地中海産)は蓄養クロマグロ原資としても漁獲されているが、近年は資源の枯渇が懸念され、すでに沿岸国では水揚げのない蓄養場の閉鎖が始まっている。こうしたことから、蓄養向けの漁獲規制も強化し、体重30`未満の採捕等を禁止した。この一方で、全世界に衝撃的な研究成果が米科学誌「サイエンス」に掲載された。海洋生態系の破壊が現在のペースで進めば、2048年までに世界の海産食品資源が消滅するというタイトルもそのものズバリ「Sayonara, sushi...」だ。研究では、過剰漁獲によって資源減少が早まり、それ以前にも漁業経営が力尽きる恐れもあると指摘している。
 
 
農林水産ニュース&解説
 
 食品・安全
    食品リサイクル小委員会等合同会議が食品リサイクル制度の見直し素案、再利用は「飼料化」が最優先(11/28)
 
畑作・果樹
    農水省が07年4月の輸入小麦政府売渡価を1.3%値上げ。大麦は15%と焼酎値上げか(11/22)
 
畜   産
    年末年始の都府県における余乳処理対象乳の発生は前年より5000d減の8万7000d程度
 
林   野
    気候変動枠組条約(COP12)で開発途上国の「森林減少抑制の取組みをクレジット化」提案に注目(11/6〜17)