2008年7月5日号
 

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焦  点 「諫早湾訴訟で5年間堤防開放」
 
 
 国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防閉め切りが漁業不振の原因だとして、国に諫早湾潮受け堤防の撤去と水門の常時開放を求めていた「よみがえれ!有明訴訟」で佐賀地方裁判所は6月27日、原告側の訴えを認め、国に5年間の南北水門開放を命ずる判決を下した。判決では、諫早湾の漁業被害と閉め切りとの因果関係を認める一方で、排水門の操作ができない上に多大な費用負担を必要とする海況調査を漁民原告らに求めるのは酷に過ぎると指摘。さらに、抗告審や公調委が中・長期開門調査を求めたにもかかわらず、「因果関係の立証に協力しないことは立証妨害と同視でき、訴訟上の信義則に反する」と農水省の姿勢を厳しく批判した。




農林抄(論説)農林抄一覧
 
   「燃油高騰に対する漁業経営支援策」
       東京大学社会科学研究所教授 加瀬和俊
 
 
<書き出し> 2003年に一バレル当たり30j前後であった原油価格が140jを超えた。平常時で経費の二割前後が燃油費であった漁業は操業不能の危機に直面した。漁業界は一斉休業等を含めてマスコミ対策を重視した新しい運動を展開して緊急対策を要求している。しかし漁業者の激しい実力行動を通じて新しい施策が採用された欧州諸国とは異なって、施策の内容は「平常時の正論」にとどまっており、「緊急時の応急策」にはほど遠い。まず2005-2007年の間は、05年度補正予算によって大型クラゲ対策とあわせて51億円の基金が設定されたが、その事業対象は燃油タンクの整備への補助や省エネルギー型漁業への転換といった一般論の域を超えていなかったから、おそらく予算枠はほとんど消化されなかったと推測される。07年12月には補正予算によって102億円の基金が作られ、輪番制休業と休業時の漁業生産力向上活動に対する助成措置(省エネ推進協業体活動支援事業)等が実施されつつある。・・・



特集「2008年度畜産・酪農追加緊急対策」 (政策畜産
 
   「配合飼料高騰で738億円措置」
       週刊農林編集部
 
      配合飼料補填4%ルールを停止
      黒毛和子牛対策を新規措置
      配合飼料価格差補てん実施状況
 
   「畜産・酪農追加緊急対策」
 
      配合飼料価格対策
      酪農関連対策
      子牛関連対策
      肥育牛関連対策
      肉豚関連対策
      その他対策
 
特集「夢の超多収稲づくりへの挑戦」<2> (季刊特集
 
   「飼料米品種の開発とその利用」
       国際農林水産業研究センター
       熱帯・島嶼研究拠点世代促進事業室 堀末 登
 
      超多収稲育種計画の経過
      超多収と新形質米育種
      次世代稲と加工米育種、及び飼料稲育種
      これまでの超多収育種計画の到達点

     
つづく
 
解説「農林水産省地球温暖化対策総合戦略の改定」 (政策
 
   「農産物に低炭素表示導入へ」
       週刊農林編集部
 
 
食料・農業・農村政策審議会企画部会、林政審議会施策部会、水産政策審議会企画部会それぞれの地球環境小委員会が6月24日合同会議を開き、「農林水産省地球温暖化対策総合戦略」の改定に向け、@低炭素化社会実現に向けた農林水産分野の貢献A農林水産分野における省二酸化炭素効果の「見える化」B農地土壌の温室効果ガスの吸収源としての機能の活用――を同戦略に新たに盛り込むべき事項とした。特に「見える化」では省二酸化炭素効果の高い取組みにより生産された、農林水産物を、消費者の選択に資するための表示のあり方を7月下旬から検討を開始する。こうした戦略の改定は7月の地球温暖化・森林吸収源対策推進本部で決定し、09年度予算に反映させる。
 
トピックス (政策水産
 
   「政府が原油等価格高騰追加対策を決定」
 
      省エネ漁業転換支援を強化
      漁船用燃油直接補助は見送り
      強い農業づくり交付金で支援

     
読み切り
 
 
農林水産ニュース&解説
 
 経営・構造
    農村工学研究所が災害に強い「越流許容型ため池工法」による復旧作業が完了、能登半島地震で初めて採用(6/17)
 
米麦・水田
    家計調査でコメ消費の復権が顕著。各党が米粉・飼料米利用を中心に自給率向上提案相次ぐ
 
畜   産
    畜産草地研究所が豚舎汚水中のリンを簡便な装置で結晶にして回収する技術を開発
 
畑作・果樹
    全農が08肥料年度価格を全品目総平均で60%程度と過去最大の値上げ
 
農協・経済
    政府が「経済財政改革の基本方針2008」(骨太の方針08)を閣議決定
 
食品・安全
    国産農林水産物・食品輸出促進本部が「我が国の農林水産物・食品の輸出戦略」を改定(6/20)
 
環境・技術
    政府が08年版環境・循環型社会白書を閣議決定、開催される北海道洞爺湖サミットに向けて国民の関心を喚起(6/3)
 
林   野
    林野庁の山村再生研究会が環境・教育・健康など5K≠ノ着目して山村の再生を目指す提言
 
水   産
    諫早湾訴訟で佐賀県地裁が漁業不振は干拓事業が原因として認め、5年間の排水門の常時開門を命じる(6/27)